映画『世界が食べられなくなる日』

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この映画について

キーワード

CRIIGEN(クリージェン)

遺伝子組み換え作物や農薬、環境汚染物質が健康と環境に及ぼす影響について、専門家による評価を提供するNPO団体。弁護士のコリーヌ・ルパージュやセラリーニ教授らによって1999年に設立された。会員による寄付などで運営されており、企業や政府などからは独立している。

EFSA(European Food Safety Authority)

欧州食品安全機関。2002年に設立。EU域内の食品や飼料に関して、専門家によるリスク評価を行い情報の提供をする。対象は食品だけでなく、農薬や添加物、遺伝子組み換え食品、容器包装、食品検査・表示の仕方など、多岐にわたる。

NK603(遺伝子組み換え除草剤耐性トウモロコシ)

セラリーニ教授の実験に使用された、モンサント社のGMトウモロコシの品種。同社の除草剤ラウンドアップに耐性をもつよう遺伝子組み換え操作されている。2004年10月、欧州委員会がNK603とその製品の食品使用を10年にわたり承認。現在、域内での栽培は禁止されているが、輸入は可能。日本では2004年11月に栽培・食用・飼料用として認可されている。ラウンドアップは、モンサントの主力の売上を誇る除草剤グリホサートの商品名。世界でもっとも売れた除草剤だ。

GM 刈り取り隊 (faucheurs volontaires d'OGM)

"GM刈り取り隊(自発的な収穫者たち)"は、活動家のジャン=バティスト・リブバンによって2003年にフランスのラルザックで始まった運動。様々な種類の植物が汚染されることを懸念して、屋外での遺伝子組み換え作物の栽培実験に反対している。今日フランスでの活動メンバーは7,000名以上で、遺伝子組み換え作物の研究は情報を開示し、外界から完全に隔離された場所で行うべきだと主張している。彼らは、遺伝子導入実験や遺伝子組み換え作物の栽培が行われている区域での強制刈り取り運動やデモを行うこともあるが、原則としては平和的な活動を行っている。

遺伝子組み換え作物の拡大

現在アフリカで遺伝子組み換え作物が栽培されているのは、栽培面積世界第9位の南アフリカ(トウモロコシ、大豆、綿)、ブルキナファソ(綿)、エジプト(トウモロコシ)の3ヵ国。アジア、アフリカの発展途上国は遺伝子組み換え作物の新たな市場として開拓されようとしている。

アグロエコロジー

自然や環境と調和した、小規模農業による持続可能な農業システムについての考え方であり、実践そのものも指す。キューバやブラジル、アフリカなどで発展。特定の農法を指すものではなく、定義は国ごとに異なる。本作中では、国連本部でのオリヴィエ・デ・シューター氏による"食料の権利に関する特別報告"の中で、飢餓と貧困の解決策として提唱されている。アグロエコロジーは南米でもアグリビジネスを強制する遺伝子組み換え巨大農業に対するオルタナティブな考え方として注目され急速に広がっている。

カイダラ・アグロエコロジー農業学校

セネガルにあるカイダラ・アグロエコロジー農業学校は、学校教育を受けられない生徒たちに自然な農業を教えている。現在、この学校は教育と情報提供、そしてセネガルの持続可能な開発について、地域の主体性を示すアグロエコロジーの規範となっている。登場するゴーラ・ヌジャイは、セネガルの有機農家の団体"アフリカの庭"の共同設立者であり代表を務める。

出典

◆『タネが危ない』野口勲 日本経済新聞 2011
◆『遺伝子組み換え企業の脅威 モンサント・ファイル』『エコロジスト』誌編集部(編集)、アントニー・F.F.ボーイズ( 翻訳)、 安田節子 (翻訳) 、日本消費者連盟 (翻訳) 緑風出版 1999
◆『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子 平凡社新書 2009
◆資料協力 食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク
◆『世界食料戦争』天笠啓祐 緑風出版 2004
◆『Chernobyl: the true scale of the accident 20 Years Later a UN Report Provides Definitive Answers and Ways to Repair Lives』Joint News Release WHO/IAEA/UNDP 2005

資料協力

食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク


セラリーニ教授の実験とは?

◆使用したラットは200匹 ◆実験期間は2 年以上(ラットの平均寿命は2 年) ◆200 匹のラットを20グループに分ける ラットグループ内訳

1 ラットの餌のうち11%を差し替える 遺伝子組み換えトウモロコシ(GMO) オス
2 メス
3 ラットの餌のうち22%を差し替える オス
4 メス
5 ラットの餌のうち33%を差し替える オス
6 メス
7 ラットの餌のうち11%を差し替える ラウンドアップを散布して栽培した 遺伝子組み換えトウモロコシ(GMO+R) オス
8 メス
9 ラットの餌のうち22%を差し替える オス
10 メス
11 ラットの餌のうち33%を差し替える オス
12 メス
13 <低濃度>水道水に混合している濃度 ラウンドアップを混ぜた飲み水(R) オス
14 メス
15 <中濃度>一般の河川に混入している濃度 オス
16 メス
17 < 高濃度>農家が散布している濃度 オス
18 メス
19 非遺伝子組み換えトウモロコシとラウンドアップの入っていない飲み水 オス
20 メス

より詳細な実験内容はコチラをご覧ください。 GMO Seraliniサイト(外部サイト) http://gmoseralini.org/

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