少女:マリナ・ゴルバハーリ
Marina Golbahari

現在、おそらく14歳。2002年11月のカメラテスト時に年齢を聞かれて「13歳」と本人が答えているが、正確な生年月日は家族に聞いても不明。
ソ連軍撤退後に始まった内戦やタリバン軍と政府軍の戦いで、最も激しい戦闘が行われたといわれるカブール北部のシュマリ平野に生まれる。物心ついた頃に家を爆撃され、2人の姉が崩壊した壁の下敷きとなって死亡。父はタリバン軍に捕らえられ、拷問を受けて脚に大怪我をした。故郷を捨て、家族でカブールに移るが、父が怪我の後遺症で働くことができず、母はまだ乳飲み子を抱えているため、マリナは5歳の頃から幼い弟と街で物乞いを始め、家族の生計を支えてきた。
偶然からバルマク監督に出会い、すぐにカメラテスト。即、主役に決定し、演技の訓練もしないまま撮影に入る。それまで学校に通ったことがなかったため、読み書きがほとんどできなかったので台詞はシーンごとに口移しで覚えた。撮影中マリナの家族には、食べ物と燃料が与えられ、出演料として家族が半年暮らしていけるだけのお金を貰った。マリナにとって、これが物乞い以外で得た初めての収入だった。
『アフガン零年』の後には、アフガンの若手監督モハマド・ホマユン・パイズの短編『いけにえ』(第5回NHKアジア・フィルム・フェスティバルで上映)に出演。現在、マリナは孤児やストリートチルドレンに教育の機会を与える施設で勉強を続けている。
マリナは今、女優になりたい、という。


お香屋の少年:モハマド・アリフ・ヘラーティ
Mohmmad Arif Herati

カブールで良く見かける少年の仕事が、エスパンディと呼ばれるお香屋。アリフは実際のお香屋だった。昨年の秋、14歳の女の子と婚約したという話である。


母:ゾベイダ・サハール
Zubaida Sahar

チャマン国内避難キャンプにいた女性。6年間、パキスタンの難民キャンプで生活し、カブールに戻った。家族を失ったにもかかわらず、赤ん坊を抱えて育てている。


祖母:ハミダ・レファー
Hamida Refah

同じくチャマン国内避難キャンプで監督が見つけた。息子と生き別れ、現在は嫁と孫と一緒に暮らしている。