映画『フィルス』公式サイト

映画『フィルス』


イントロダクション


INTRODUCITON

『トレインスポッティング』原作者×ジェームズ・マカヴォイ最新作
このロクデナシのくそったれめ!!!!!!!!!!!!!!!!
イカれた刑事が追う殺人事件が、逆に男の人生を追いこんでいく。
英国発愛と絶望を笑いにする最高にイカしたクライム・コメディ!!


かつて90年代のサブカルチャーを牽引してきた史上最強の青春映画があった。その名はー『トレインスポッティング』。原作はアーヴィン・ウェルシュ。彼が最も映画化したかったという自身のブラックコメディ小説「フィルス」を新進気鋭の監督ジョン・S・ベアードが『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』、『つぐない』などのカメレオン俳優ジェームズ・マカヴォイを迎え待望の映画化。まるで御伽噺のように可笑しくも哀しいイカれた男のクライム・コメディだが、驚くべき真実と衝撃のラストにノックアウトされること間違いなし!

特技は同僚や友人を陥れるための裏工作と残業の不正申告。ポルノ・売春・不倫・アルコール・コカイン中毒・・・まさに歩く危険地帯!あまりに下衆、あまりに強烈、もはやカリスマ的に最悪なスコットランド人刑事ブルース・ロバートソン。街がクリスマスムードに浮かれだすころ、残忍な日本人留学生殺人事件が起きる。初動捜査では【目撃者はゼロ】。その捜査の指揮を任されたブルースは、この事件で手柄をあげ出世しようと目論む。だが捜査を進めるにつれ、自分の過去と向き合わなければならなかった。事件が真相に迫るにつれ、ブルースの精神状態は錯乱していく。やがて【目撃者とされる謎の女】の存在が急浮上したとき、衝撃の真実が明らかになる!

主人公のめくるめく狂気が、身近な人々をモンスターへと再生させる。SM嬢ばりの女刑事、娼婦のような妻、獰猛な動物たち、おせっかいな博士・・・。倒錯する世界で、男の本心を炙り出していく。果たしてどうしようもない男の可笑しくも哀しい人生に明日はくるのか!?単なる過激なブラックコメディでなく、つきるところ絶望を笑いにした、最高にイカした愛と喪失のクライムコメディとなった!

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様々な幅広い役で役に憑依し、見る者に鮮烈なインパクトを残すジェームズ・マカヴォイが、キャリアを賭けこのクレイジーな役に体当たり!今まで見たことのないマカヴォイの魅力が炸裂した。さらに英国を代表する俳優『リトルダンサー』のジェイミー・ベル、新進気鋭で待機作が目白押しのイモージェン・プーツ、エミー賞にもノミニーのジョアンヌ・フロガット、『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』の名優ジム・ブロードベント、『ギャング・オブ・ニューヨーク』などハリウッドでも大活躍のエディ・マーサンなど個性ある面々が曲者揃いのキャラクターを演じる。原作は、かつて世界のカルチャーに多大な衝撃を与えた『トレインスポッティング』のアーヴィン・ウェルシュ。人気小説「フィルス」の原作者待望の映画化。監督はスコットランド出身の気鋭ジョン・S・ベアードが長編映画初挑戦。ダークなユーモア溢れる渾身の一作となった!

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PRODUCITON NOTE

ブルース・ロバートソンという男


ブルース・ロバートソンは、卑劣で悪徳の塊のような人物だが、自分の捜査への絶対の自信を持っている。頭脳明晰で事情通、同僚たちを無能な足手まといぐらいにしか思っていない。「ブルースという男は、同性愛者嫌い、人種差別主義者、女性不信の排他主義者で、ろくでもない男なんです」とプロデューサーのケン・マーシャルは語る。

ブルースは出世して妻と子供に戻ってきて欲しいと考えている一方で、周囲の人間たちを思うがまま動かしたいというゲーム感覚の欲求も持っている。

「彼は基本的には、ひどい男です。しかし脚本全体や映画の狙いは、この男に共感や同情を持ってもらうことでした。ブルースは観客にとっては親しみやすいキャラクターではないかもしれませんが、悲劇の人物であることは間違いありません。彼は精神のバランスをくずして、おかしくなった自分自身に嫌気がさしていますが、悲しみと喪失という普遍的な問題に立ち向かうんですよ。最終的に、暗くて悲劇的ですが、コメディを作りたかったのです」とマーシャルは語る。

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「最も大変だったのは、ブルースを演じるのにふさわしい俳優を見つけることでした」とマーシャルは振り返る。フィルムメーカーたちは、スコットランド人の名優のジェームズ・マカヴォイに白羽の矢を立てた。ベアードいわく、マカヴォイの起用は、ブルースの物語に命を吹き込むことができたのだ。

「彼はみんなを嫌っているのではなくて、単に恐れていたんです。ブルースのキャラクターと躁状態は、彼の劣等感と自身の力不足からくる焦燥感が生んだものなんです。ブルースは“俺が王様だ”という身勝手なキャラクターです。実生活が描かれてはじめて、彼には妄想癖があり躁病の兆候だということに気づくのです」とマカヴォイは語る。我々が最初にブルースを目にする時、彼のテンションは異常に高い。「しかし追い込まれていく彼を目にすることになる。結局、現実の世界は避けられないものなんです。現実の世界を目にして、そして最後の最後に、自分がどれほどのものであるか理解するけれど、それを自分が嫌っていることに気づくのです」とマカヴォイは語る。

異色なキャラクターたち


「新人の刑事レイ・レノックスは麻薬が好きで、ハマっているけど、今の生活から抜け出したいと望んでいる。ブルースがその無知に付け込むんだ」とジェイミー・ベルは語る。「物語が展開していくと、実際にはレイは極めて計算高いキャラクターだったことが見えてくる。彼は新人で、ブルースを尊敬している。だけど実は彼はブルースをずっと騙していて、油断させている。だからこそブルースが予想もしていない時に、彼はかみついたりできるんだ」とベルは語る。

「女刑事のアマンダ・ドラモンドはブルースの脅威です。彼女はプライドが高く、独立心が旺盛で、ブルースの魅力にもごまかしにも乗らない。最後には彼女はブルースの本性を見抜き、彼が破滅しかけて、自制心を失いかけていることに気づく。ブルースのキャラクターと彼の強さは、自分自身と周りを自らがコントロールすることで成り立っているんです」とマーシャルは語る。

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夫を亡くしたメアリーというキャラクターは、原作ではブルースとは彼女の死にかけているパートナーを救おうとする際に登場する。「メアリーはブルースの人間性をこじ開ける非常に重要な役柄を担っている。というのも他の人間はブルースをモンスターと見ているのに、彼女だけは彼をヒーロー視するんだ。2人の関係は、悲惨なことに、予想通りのラブストーリーへと展開する」ベアードは語る。

ブルースから理不尽な被害を被る男がいるとしたらそれは、彼を親友だと思っている公認会計士のクリフォードである。ケン・マーシャルは語る。「クリフォードとブルースは、これまでにないような友情で結ばれていた。ブルースは非常に自信たっぷりに振舞い、またはブルースを学校一の人気者のように考えていた。まったく逆であることが明らかになるけどね」。

原作に出てくるブルースの胃の中で成長する異色なキャラクターでもあるサナダムシ。映画では、サナダムシの代わりに、担当医ドクター・ロッシとして登場する。「ドクター・ロッシは、観客にブルースの過去の出来事を知らせる役割を果たしている。実はブルースにわずかながらも人間っぽい部分があると知ることは大事で、なぜ彼がああなってしまったのかという説明は重要だと思うんだ。その情報のすべては、ブルースの主治医である、ドクター・ロッシから語られる。ロッシの話し方は『時計じかけのオレンジ』のデルトイドを元にした」。

『フィルス』の世界


「オープニングから始まるブルースの全力の妄想が、観客にブルースの目を通した世界を見させる。他のすべてのキャラクターはブルースの視点から語られてるんだ」ベアードは語る。 「その後、ブルースの本当の正体が明かされることになる。そのため、映画の前半は、視覚的に誇張され、シュールなものとなっている。出世レースを通して彼の心理的な凋落を描いている」と彼は付け加える。

ベアードはこの映画を作るにあたって、テリー・ギリアムとスタンリー・キューブリックのような先見者から影響を受けたことを明かす。「僕がずっと描きたいと思っていたアイデアは、誇張された主人公で、特にその行動が極めて逸脱しているアンチヒーローなんだ。今回、誇張したリアリズムを表現する際に『時計じかけのオレンジ』や『ラスベガスをやっつけろ』で使われているようなシュールなテクニックが、一番参考になった」とベアードは語る。

「この映画は“イカれたおとぎ話”だ。特殊な人間の特殊な物語。日常生活を描いたんじゃない。この映画は、リアリズムを追求してはいない」と最後にマカヴォイは締めくくる。

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