Introduction
『わたしはロランス』で一気に映画ファンの注目を集め、最新作『Mommy(原題)』がJ.L.ゴダールの作品と共に2014年のカンヌ国際映画祭審査員賞に輝いた弱冠25歳の美しき天才、グザヴィエ・ドランの新境地!
これまでの作風とは打って変わり、現代カナダを代表する劇作家ミシェル・マルク・ブシャールによる同名戯曲の映画化で、初めてサイコスリラーというジャンルに挑んだ意欲作。監督、主演をはじめ、編集、衣装も全てドランが担当。オリジナル・スコアを映画音楽界の鬼才ガブリエル・ヤレドが手掛けた。2013年のベネチア国際映画祭でコンペティション部門にノミネートされた本作は国際批評家連盟賞に選ばれ、各国の批評家から「ドランの最高傑作」と評された。
隠された過去、罪悪感と暴力、危ういバランスで保たれる関係、閉塞的な土地で静かに狂っていく日常。
ケベックの雄大な田園地帯を舞台に、一瞬たりとも目を離すことのできないテンションで描き切る、息の詰まるような愛のサイコ・サスペンス。