南カリフォルニアでは、時に全ての市民が役者であるかのような錯覚すら起きる…。
いつもと何も変わらないその日、メル・トレス(デル・ザモラ)は仲間と共に路上で日雇い仕事を待っていた。しかしメルのちょっとした悪態がきっかけで仕事を逃してしまう。
帰路メルは聞き覚えのある西部劇のテーマ曲を耳にする。その昔自分が出演した映画の曲は近くのアパートの一室のテレビから聞こえてくるものだった。アパートに住む男もまたその作品に出演したフレッド・フレッチャー(エド・パンシューロ)だった。
暫くするとメルとフレッドは二人でテレビを見ながらハイになっていた。その時彼らはあるコマーシャルを目撃する伝説の脚本家、フリッツ・フロビシャー(サイ・リチャードソン)がサイン会を行うらしい。フレッドとメルは唖然とする。二人は共に若い頃その残虐な脚本家フリッツ・フロビシャーに虐待された経験があったのだ。
そして二人は、今こそ怨み果たすべし、と復讐の旅へ向かう事を誓うのだった。
メルは娘のデライラ(ジャクリン・ジョネット)を口車に乗せ一緒に旅へ出ることを了承させた。しかしその時彼女はまだ復讐劇に巻き込まれた事に気付いていなかった。
延々と続く男達の映画談義に耐え切れず、デライラは目的地のモニュメント・バレーの手前の砂漠で二人を見捨てようとする。
そしてそびえたつ西部の赤い絶壁の中で全ての登場人物は最後の決着の場面を迎える。
今、映画史上最狂の死闘が幕を開ける…。