この映画を、最後までじっと観たら、 昔、息の根を絶たれてしまった自分への思いが統合されるだろう。 魂の温度に触れることができる作品。 名越康文 (精神科医) 愛想笑いを遠ざけ、絶叫型演技に身を任せるでもない……。 そんな1人の少女が、真の情動に到達するまでのサスペンスフルな日常。 繊細で大胆な少女の心の動きを確実に画面に刻むこの映画は、あの『ミツバチのささやき』の奇跡を不意に思い起こさせる。 北小路隆志 (映画評論家) 「もしそれが私だったら?」と仮定し、身体、感情、記憶を総動員して作られた現実を生きてみる実験、それがフィクション映画である。という単純なことを私たちは忘れているが、今泉かおりさんは小さな主演女優と手を取り合って、一直線にそこに向かう。映画的意匠とか、人を驚かす企みとかに目もくれず、世界を生きてみることのみに賭けた地を這うような潔さにおいて、日本映画の小さな殻を脱ぎ捨てる。 諏訪敦彦 (映画監督) 私も昔、少女だった みんな昔は、子どもだった あらゆる大人がなぜ昔、子どもじゃなくちゃいけなかったのか。 今泉さんの辛く優しい視線を通して、 その答えがちゃんとこちらに伝わってきました。 横浜聡子 (映画監督) 『聴こえてる、ふりをしただけ』という映画のことが忘れられない。 なにしろタイトルからして、ここ数年来で最も素晴らしい日本語の響きを持っている。帰り道、そこに込められている意味を考えるにつけ、映画の内容が2度も3度も自分の中でリツイートされ、深く沁み込んでいった 。 母を亡くした少女が喪失感の只中で「お母さんが魂になって見守ってくれてると皆は言うけれど、本当にそうなの?」と思い巡らす物語。周囲の何気ない言動に心揺らす11歳。無口な彼女が自分の足で乗り越え、世界との調和を図りゆく姿が吸い込まれそうなほど神々しい。 胸に響いたのは、この映画がラストを雰囲気だけでごまかしたり、結末を観客に委ねるといった一昔前の常套手段を取らないところだ。小学5年生の主人公を決して置き去りにしない。そのためにスタッフ&子役だらけのキャストが一丸となって格闘してる様子が伝わってくる。 牛津 厚信 (ライター) 全体的に静かで、誇張や、わざとらしい演出がなかったのが、 ジワリと11歳の女の子が体験してしまった孤独感を表現していますね。 名取弘文 (元小学校教諭、おもしろ学校理事長) 映画「聴こえてる、ふりをしただけ」を見た。フライヤーを見ただけで、ああこれはいい映画だと直感した作品。 瑞々しい子供達の演技は本当に素晴らしかった。親を亡くした子供が困惑し、やがて乗り越えていく姿を描いた作品だが、誰もが子供だった頃の切ない思い出をフラッシュバックするはず。 子供の本当の姿、純でずるくて残酷で正直でバカな部分を隠さずに描ききっている。それだけになお、切ない。魂などないのだというシークエンスが白眉。 親を突然に亡くした夫と子供のストーリーだが、主に子供の目線で描かれている。震災や津波で家族を亡くされた方々への思いがオーバーラップする。やや知能障害のあるのんちゃんの演技が素晴らしい。 泣きます。オトナはだめですねえ。。。いい映画でした!推薦! JOJO広重 (ノイズミュージシャン) 映画館を出るのが恥ずかしいくらい、涙が出てきて困った。 多くの人が、自分の中に住む“みなし子”を見つけられる作品。 田口ランディ (作家) 喪失の哀しみは、後から満ちてくる。 大切なものを失った瞬間より、後の日常を生きるほうが何倍もつらい。 その哀しみにこんなに丁寧に寄り添ってくれる映画があっただろうか。 山田ズーニー (文章表現インストラクター)
この映画を、最後までじっと観たら、
昔、息の根を絶たれてしまった自分への思いが統合されるだろう。
魂の温度に触れることができる作品。
名越康文 (精神科医)
愛想笑いを遠ざけ、絶叫型演技に身を任せるでもない……。
そんな1人の少女が、真の情動に到達するまでのサスペンスフルな日常。
繊細で大胆な少女の心の動きを確実に画面に刻むこの映画は、あの『ミツバチのささやき』の奇跡を不意に思い起こさせる。
北小路隆志 (映画評論家)
「もしそれが私だったら?」と仮定し、身体、感情、記憶を総動員して作られた現実を生きてみる実験、それがフィクション映画である。という単純なことを私たちは忘れているが、今泉かおりさんは小さな主演女優と手を取り合って、一直線にそこに向かう。映画的意匠とか、人を驚かす企みとかに目もくれず、世界を生きてみることのみに賭けた地を這うような潔さにおいて、日本映画の小さな殻を脱ぎ捨てる。
諏訪敦彦 (映画監督)
私も昔、少女だった
みんな昔は、子どもだった
あらゆる大人がなぜ昔、子どもじゃなくちゃいけなかったのか。
今泉さんの辛く優しい視線を通して、
その答えがちゃんとこちらに伝わってきました。
横浜聡子 (映画監督)
『聴こえてる、ふりをしただけ』という映画のことが忘れられない。
なにしろタイトルからして、ここ数年来で最も素晴らしい日本語の響きを持っている。帰り道、そこに込められている意味を考えるにつけ、映画の内容が2度も3度も自分の中でリツイートされ、深く沁み込んでいった 。
母を亡くした少女が喪失感の只中で「お母さんが魂になって見守ってくれてると皆は言うけれど、本当にそうなの?」と思い巡らす物語。周囲の何気ない言動に心揺らす11歳。無口な彼女が自分の足で乗り越え、世界との調和を図りゆく姿が吸い込まれそうなほど神々しい。
胸に響いたのは、この映画がラストを雰囲気だけでごまかしたり、結末を観客に委ねるといった一昔前の常套手段を取らないところだ。小学5年生の主人公を決して置き去りにしない。そのためにスタッフ&子役だらけのキャストが一丸となって格闘してる様子が伝わってくる。
牛津 厚信 (ライター)
全体的に静かで、誇張や、わざとらしい演出がなかったのが、
ジワリと11歳の女の子が体験してしまった孤独感を表現していますね。
名取弘文 (元小学校教諭、おもしろ学校理事長)
映画「聴こえてる、ふりをしただけ」を見た。フライヤーを見ただけで、ああこれはいい映画だと直感した作品。
瑞々しい子供達の演技は本当に素晴らしかった。親を亡くした子供が困惑し、やがて乗り越えていく姿を描いた作品だが、誰もが子供だった頃の切ない思い出をフラッシュバックするはず。
子供の本当の姿、純でずるくて残酷で正直でバカな部分を隠さずに描ききっている。それだけになお、切ない。魂などないのだというシークエンスが白眉。
親を突然に亡くした夫と子供のストーリーだが、主に子供の目線で描かれている。震災や津波で家族を亡くされた方々への思いがオーバーラップする。やや知能障害のあるのんちゃんの演技が素晴らしい。
泣きます。オトナはだめですねえ。。。いい映画でした!推薦!
JOJO広重 (ノイズミュージシャン)
映画館を出るのが恥ずかしいくらい、涙が出てきて困った。
多くの人が、自分の中に住む“みなし子”を見つけられる作品。
田口ランディ (作家)
喪失の哀しみは、後から満ちてくる。
大切なものを失った瞬間より、後の日常を生きるほうが何倍もつらい。
その哀しみにこんなに丁寧に寄り添ってくれる映画があっただろうか。
山田ズーニー (文章表現インストラクター)