2019年配給作品

ヨーゼフ・ボイスは挑発する

2019年3月2日(土)、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

  • この作品は自主上映可能です

    料金など詳細については自主上映のご案内のページをご覧ください

原題
Beuys
作品分数
107分
上映素材
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予告編
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イントロダクション

白黒テレビに映し出される討論番組でフェルトの帽子を被った一人の芸術家が苛立ち、叫ぶ。「今は民主主義がない、だから俺は挑発する!」

彼の名前はヨーゼフ・ボイス。初期フルクサスにも参加し、“脂”や“フェルト”を使った彫刻やパフォーマンス、観客との対話を作品とするボイスの創造(アート)は美術館を飛び出し、誰もが社会の形成のプロセスに加わるべきだと私たちに訴える。既存の芸術が持つ概念を拡張するその思想は、世界中に大きな議論とセンセーションを巻き起こし、「社会を彫刻する」という、貨幣経済や権力に管理された社会を創造性によってつくり直そうという試みは、バンクシーを始めとする現在のアーティストにも脈々と受け継がれている。

本作は膨大な数の資料映像と、新たに撮影された関係者へのインタビュー映像で創られた、ボイスの芸術と知られざる”傷”を見つめるドキュメンタリー映画である。

ボイスの肉声やパフォーマンス映像は、30年以上前のものであるにもかかわらず、生々しく、力強い。今、ボイスの言葉たちが、時を超え、再び私たちを挑発するー。

ストーリー

ヨーゼフ・ボイスは、戦後ドイツで、「芸術概念の拡張」による革命を叫んだ芸術家だ。腕に抱いた死んだ野ウサギを絵画に触れさせ、その説明を行う「死んだうさぎに絵を説明する方法」(1965年)、アメリカ先住民の聖なる動物“コヨーテ”と共にNYのギャラリーに籠り1週間暮らす「私はアメリカが好き、アメリカも私が好き」(1974年)など、そのセンセーショナルなパフォーマンスや、テレビの討論番組で繰り広げた評論家たちとの挑発的な議論から、異端のアーティスト、トリックスター扱いをされた。

ボイスは自ら「芸術概念の拡張」を体現した。1971年、教授をつとめるデュッセルドルフ芸術アカデミーにて「基本的人権に反する入学許可数の制限は、公平に解決するべき」と、学生らともにアカデミー事務局を占拠。1979年には、エコロジー運動、反原発・反核運動、学生運動、フェミニズム運動を背景に結成された政党「緑の党」に参加。

このようなボイスの試みは、現実社会に積極的に関わり人々との対話などを通して社会変革をもたらそうとする「ソーシャリー・エンゲージド・アート」の登場など、現在も美術界に影響を与え続けている。

クレジット

2017年/ドイツ/107分/ドイツ語、英語/DCP/16:9/5.1ch/原題:Beuys
学術監修:山本和弘 字幕翻訳:渋谷哲也

予告編

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