映画『ラッキー』

映画『ラッキー』

90歳の気難しい現実主義者が人生の終盤で悟る、「死とはなにか」
『パリ、テキサス』の名優ハリー・ディーン・スタントン、最後の主演作。

監督:ジョン・キャロル・リンチ(『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』出演)
出演:ハリー・ディーン・スタントン(『パリ、テキサス』『レポマン』『ツイン・ピークス The Return』)、
デヴィッド・リンチ(『ツイン・ピークス』『インランド・エンパイア』監督)、
ロン・リビングストン(『セックス・アンド・ザ・シティ』)ほか
(2017/アメリカ/88分/英語/1:2.35/5.1ch/DCP)
配給・宣伝:アップリンク

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セル&レンタルDVD

DVD

仕様

本編88分+特典50分/16:9LB スコープサイズ/片面2層/音声:ドルビーデジタル5.1ch/日本語字幕/1枚組

特典映像

・監督インタビュー
・プロデューサーインタビュー
・フィーチャレット映像
・ハリー・ディーン・スタントンの最終シーン撮影風景
・日本版予告編
・本国版予告編

発売元:アップリンク
販売元:TCエンタテインメント


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銀行強盗もしない、飛行機から飛び降りもしない、人助けもしない。

「人生の終わり」にファンファーレは
鳴り響かない

神など信じずに生きてきた90歳のラッキーは、今日もひとりで住むアパートで目を覚まし、コーヒーを飲みタバコをふかす。いつものバーでブラッディ・マリアを飲み、馴染み客たちと過ごす。そんな毎日の中でふと、人生の終わりが近づいていることを思い知らされた彼は、「死」について考え始める。子供の頃怖かった暗闇、去っていった100歳の亀、“エサ”として売られるコオロギ  小さな町の、風変わりな人々との会話の中で、ラッキーは「それ」を悟っていく。

現実主義で一匹狼、すこし偏屈なラッキーを演じるのは、2017年9月に亡くなったハリー・ディーン・スタントン。名バイプレイヤーとして知られるジョン・キャロル・リンチが、全ての者に訪れる人生の終わりについて、スタントンの人生になぞらえて描いたラブレターともいえる初監督作品である。また、ラッキーの友人役として、映画監督のデヴィッド・リンチが出演。実際、長きにわたる友人である彼らを当て書きした脚本は哲学的で示唆に富んでおり、彼らの"素"を思わせるやりとりを見ることができる。

映画『ラッキー』

STORY

神など信じずに生きてきた90歳のラッキーは、今日もひとりで住むアパートで目を覚まし、コーヒーを飲みタバコをふかす。ヨガを5ポーズ、21回こなしたあと、テンガロンハットをかぶり、行きつけのダイナーにでかけることを日課としている。店主のジョーと無駄話をかわし、ウェイトレスのロレッタが注いでくれたミルクと砂糖多めのコーヒーを飲みながら新聞のクロスワード・パズルを解くのがラッキーのお決まりだ。そして帰り道、理由は分からないが、植物が咲き乱れる場所の前を通る際に決まって「クソ女め」とつぶやくことも忘れない。
ある朝、突然気を失ったラッキーは人生の終わりが近づいていることを思い知らされ、初めて「死」と向き合うが  

REVIEW

ラッキーの導き出した答えは、人生の意味を探す私たちを勇気づける。

– NPR : National Public Radio

思慮深く、憂いをまとったラブレター。楽しくもあり、まるで人生そのものだ。

– INDIEWIRE

温かく、ユーモア溢れるお別れ

– THE SALT LAKE TRIBUNE

ハリー・ディーン・スタントン、生涯最高のパフォーマンス。
スタントンの人生すべてがこの映画に滲み溢れている。

– VARIETY

この映画を観ると、自分の魂の状態やあるべき姿が、心の奥深い場所で鮮やかに見えてくる。

– THE PLAYLIST

ここ最近で最も謙虚で深い映画。
かつての『ストレンジャー・ザン・パラダイス』や『ツリーズ・ラウンジ』
のようなタッチがあるが、独自のリズムと色彩、独自のエモーショナルな温度がある。

– RogerEbert.com

映画『ラッキー』 映画『ラッキー』

DIRECTOR

ジョン・キャロル・リンチ

ジョン・キャロル・リンチ

1963年8月1日、コロラド州生まれ。ミネソタ州ミネアポリスのガスリー劇場演劇カンパニー在籍時に、コーエン兄弟のアカデミー賞受賞作『ファーゴ』(1996)で名を知られるようになる。『ゾディアック』(2007/デヴィッド・フィンチャー監督)、『グラン・トリノ』(2008/クリント・イーストウッド監督)、『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(2017/ジョン・リー・ハンコック監督)、『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』(2017)など、その風貌も相まって、気のいいキャラクターから謎めいた人物まで、コメディ、スリラーからミステリー、メロドラマやホラーなど幅広い作品で強烈な印象を残す。また、『アメリカン・ホラー・ストーリー: 怪奇劇場』(2014-2015)、『ウォーキング・デッド』(2015)、『ビッグ・ラブ』(2006-2007)などのテレビ・シリーズや、アーサー・ミラー作『橋からの眺め』などの舞台でも活躍。本作『ラッキー』は初の監督作となる。

CAST

ラッキー

ラッキー

アメリカ南西部の街に住む90歳の現実主義者。第二次世界大戦に出征経験あり。すこし偏屈だが、街の人々に愛されている。音楽とクロスワード・パズルが好きでスペイン語が少しできることが自慢。毎日の習慣はヨガ(?!)5ポーズを21回ずつ、コップ1杯のミルク、ジョーのダイナーでコーヒー、エレインの店でブラッディ・マリアを飲むこと。ヘビー・スモーカーだが、肺には異常なし。

ハリー・ディーン・スタントン

1926年7月14日、ケンタッキー州生まれ。第二次世界大戦に出征、海軍に従軍して沖縄に上陸した。除隊後ケンタッキー大学でジャーナリズムを学んでいたものの、演劇サークルに参加し演技に開眼。アルフレッド・ヒッチコック監督の『間違えられた男』(1956)で映画デビュー。1979年、リドリー・スコット監督の『エイリアン』で機関士のブレットを演じ、その名を知られるようになる。その後カルト映画として現在も高い人気を誇るアレックス・コックス監督『レポマン』(1984)で借金のかたに自動車を回収する業者=レポマンのバッドを好演。第37回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したヴィム・ヴェンダース監督『パリ、テキサス』(1984)で主人公トラヴィスを演じたことが転機となり、寡黙で笑顔を見せない演技と飄々とした存在感は彼の専売特許となった。また、『ワイルド・アット・ハート』(1990)、『ストレイト・ストーリー』(1999)『インランド・エンパイア』(2006)など多くのデヴィッド・リンチ監督作品に出演。2017年に放映された『ツイン・ピークス The Return』には『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』(1992)出演時と同じ、トレーラーパークの管理人、カール・ロッド役で登場した。
メジャーからインディーズ作品まで、50年代から今日に至るまでに200本以上の映画に出演。「ゼン・カウボーイ」と形容され、仏教的な価値観を支持する人物としても知られた。ミュージシャンからの支持も厚くライ・クーダー「ゲット・リズム」やボブ・ディラン「ドリーミン・オブ・ユー」のミュージック・ビデオに出演。自身もカントリー・タッチのシンガー、ギタリスト、ハーモニカ奏者として精力的な活動を展開。俳優/音楽家としての活動を追ったドキュメンタリー映画『Harry Dean Stanton: Partly Fiction(原題)』が2012年に制作され、サウンドトラックとして彼のボーカル曲を集めた同名アルバムが2014年にリリースされた。2017年9月15日、ロサンゼルスの病院にて91歳で亡くなった。『ラッキー』が最後の主演作品となった。

ハワード

ハワード

ラッキーの友人。逃げてしまったペットの100歳の亀“ルーズベルト”に遺産相続させようとしている、どこまでも誠実な男。

ルーズベルト

ハワード曰く「王の気高さとおばあちゃんの優しさがある」リクガメ。

デヴィッド・リンチ

1946年アメリカ・モンタナ州生まれ。映画監督、脚本家、プロデューサー、画家。
『イレイザーヘッド』(1976)で監督デビュー。『エレファント・マン』(1980)『ブルーベルベット』(1986)で続けてアカデミー賞にノミネートされ、『ワイルド・アット・ハート』(1990)ではカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。『マルホランド・ドライブ』(2001)でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。米国や日本でも大ヒットしたTVドラマ『ツイン・ピークス』(1990~1991)の続編『ツイン・ピークス The Return』(2017)でも監督を務め、大きな話題を呼んでいる。映画のみならず現代アートや音楽の分野でも活躍している。ドキュメンタリー映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』が2018年1月に日本公開された。

ボビー・ローレンス

ボビー・ローレンス

「終活」のための相談を請け負う弁護士。リクガメに逃げられたハワードの相談に乗り、ラッキーに遺言を書くことを勧める。

ロン・リビングストン

1967年アイオワ州生まれ。TVドラマ『バンド・オブ・ブラザーズ』(2001)のニクソン大尉役でその名を知られるようになる。『セックス・アンド・ザ・シティ』(2002-2003)で漫画家のジャック・バーガーを演じ人気を博す。

ジョー

ジョー

ラッキーが足繁く通うダイナーの店主。来店するたびに断固としてタバコをやめないラッキーを戒めている。ラッキーが子供時代に襲われた不安について相談に乗る。

バリー・シャバカ・ヘンリー

1954年ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ。スティーヴン・スピルバーグ監督『ターミナル』(2004)で空港の入国管理局の警備員サーマンを演じて注目を浴びる。ジム・ジャームッシュ監督の『パターソン』(2016)では、主人公パターソンが毎晩行くバーのオーナー、ドクを演じた。

TRAILER

COMMENTS

敬称略・順不同

竹中直人

俳優・映画監督

大好きだったハリー・ディーン・スタントンがずっとずっと仏頂面をしているんだ。なんだか観ていてやんなっちゃう。でも・・・でもね・・・ハリーが歌い出すんだ。メキシコの素敵な家族の前で・・・
是非スクリーンでハリーの姿を見届けて欲しい。ハリーの美しく優しさに満ち溢れた歌声を・・・

柴田元幸

アメリカ文学研究者/翻訳家

主役のハリー・ディーン・スタントンはもちろん素晴らしいが、逃げられた100歳の亀について誰かが切々と語る場面があるだけでこの映画を好きにならないわけにはいかない。 その誰かを演じているのがデヴィッド・リンチだというのはほとんどおまけのようなものである。

清水崇

映画監督

本作は、今の僕らに地続きだ。ラッキーのような老人は世界中にいるし、彼のような老人を蔑み、小馬鹿にする人もよく見かける。自分も老人になっていっているのに・・・・・・?
僕が年老いた時、偏屈でも穏やかに自分らしく生きられるだろうか。
役者が役者を見つめる本作には、劇的な要素など無い。
先輩名優への監督の眼差しに、全ての人への優しさを感じた。

いましろたかし

漫画家

死は各自色々であろうし誰でも死ぬのだが 砂漠の中の小さな街をトボトボと歩き 人と他愛ない話をしながら老いて死ぬのはやっぱりラッキーなのではないのだろうか? 映画は全てを語るものではないし、ましてや詩的でノンストーリーの映画となれば それを観た自分の印象が全てだと思ってるので、ああラッキーはツキがある奴だなあと感じた次第です。結構笑えました。

百々和宏

ミュージシャン/MO'SOME TONEBENDER

若い頃は「どうせ俺たち死に向かって歩く囚人だから~」なんてうそぶく歌が好きだったが、人生も半ばを過ぎりゃ死生観も変わる。終末を意識し始めた頑固ジジイ・ラッキーの懺悔にシンパシーを感じ、彼を見つめる周囲の暖かい眼差しにホッコリし、自由を求め脱走したリクガメを応援したくなる。私もこの映画の登場人物になりたいと思った。

幾原邦彦

アニメーション監督

感じることに正直に生きる。そのことは簡単そうで難しい。それは意固地に生きる、ということでもある。そのとき、人生はどこにたどり着くのか。
ずっと気になっていたことをハリーは教えてくれた。きっとつながっている。信じる勇気を与えてもらえた。

戌井昭人

劇作家・作家

初めて出会ったハリー・ディーン・スタントンはやさぐれた感じだった。次は寂しい男だった。他にも色々な顔を見させてもらったけれど、いつもどこか遠くを見ているような目をしていた。何を見ていたんだろう?
最後に、偏屈だけどユーモアのある彼の日常を覗かせてもらった。あの目は最後のその先を見ていたのかもしれないと思った。

町山広美

放送作家

♪降伏する準備はできている~
なんて愛おしいラブソングだろう。
もう間に合わないし、何も取り返せないが、後悔も恐れも身の内にとどめて。「好きにすりゃいいんだ」と言える人は、暗い深淵をこんな顔で見るんですね。
かくありたいし、こんな人に降伏したいしもうしてる。

高田漣

音楽家

名優ハリー・ディーン・スタントンの最後の名前は「ラッキー」。示唆に富んだ台詞の数々は「孤独」「死」「恋愛」などを朴訥ぼくとつと語る。彼が人生の終わり間際に観たものは?笑顔の意味とは?深く深く心にしみる映画です。

小谷 実由

モデル

この世には、永遠もないし、絶対もない。ただひとつ、誰にでも最後には死という同じ現実がある。不思議なことにだいたいの人がその最後をわかっているようでわかっていない。同じことが起こるのに、その現実の受け取り方はきっと人それぞれ違う。どうせ全て無くなるものなら全力で笑って全うする人生でありたい。

マキヒロチ

漫画家

名優ハリー・ディーン・スタントンの最後の主演作である『ラッキー』は、彼との最後の旅行のような映画。美味しそうに煙草を吸い、しっかり地を踏みしめて歩く彼の一瞬一瞬が、宝物となって残ります。気難しい彼が秘密を明かし、少しずつ私たちに心を開いていくにつれて、旅行が終わりに近づいていることを感じ胸がしめつけられます…「あぁ、まだ行かないで!」彼のことが好きだった人、彼の映画を見たことがある人、沢山の人に彼との旅行に出て欲しい。そして彼の微笑みに微笑んで欲しい。ありがとうラッキー、あなたがとっても恋しいよ!

松尾貴史

タレント

この一人の老人の静かな日常を描いた80分、一時も目を離せませんでした。深く刻まれた顔の皺のひとつひとつ、一挙手一投足に、咳払いから瞬きに至るまで、見逃すまいとする自分に驚きました。

※Numero TOKYO 4月号より

映画『ラッキー』 映画『ラッキー』 映画『ラッキー』 映画『ラッキー』 映画『ラッキー』 映画『ラッキー』

監督:ジョン・キャロル・リンチ(『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』出演)
出演:ハリー・ディーン・スタントン(『パリ、テキサス』『レポマン』『ツイン・ピークス The Return』)、
デヴィッド・リンチ(『ツイン・ピークス』『インランド・エンパイア』監督)、
ロン・リビングストン(『セックス・アンド・ザ・シティ』)、エド・ベグリー・ジュニア、トム・スケリット、
べス・グラント、ジェイムズ・ダレン、バリー・シャバカ・ヘンリー
(2017/アメリカ/88分/英語/1:2.35/5.1ch/DCP)
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MAGNOLIA PICTURES and SUPERLATIVE FILMS present in association with THE LAGRALANE GROUP a DIVIDE/CONQUER production
HARRY DEAN STANTON is "LUCKY"
DAVID LYNCH RON LIVINGSTON ED BEGLEY, JR. TOM SKERRITT JAMES DARREN BARRY SHABAKA HENLEY BETH GRANT YVONNE HUFF LEE HUGO ARMSTRONG
original music by ELVIS KUEHN music supervisors MIKKI ITZIGSOHN & LAUREN MARIE MIKUS costume designer LISA NORCIA editor SLOBODAN GAJIC production designer ALMITRA COREY
director of photography TIM SUHRSTEDT, ASC executive producers BILL HARNISCH RUTH ANN HARNISCH JASON DELANE LEE
producers DANIELLE RENFREW BEHRENS IRA STEVEN BEHR RICHARD KAHAN GREG GILREATH ADAM HENDRICKS JOHN LANG LOGAN SPARKS DRAGO SUMONJA
written by LOGAN SPARKS & DRAGO SUMONJA directed by JOHN CARROLL LYNCH