The Old Town Girls
7/1(土)より[東京]ユーロスペースほか全国順次公開7/1(土)より[東京]ユーロスペースほか全国順次公開
監督:シェン・ユー(申瑜)
脚本:シェン・ユー(申瑜)/チウ・ユジエ(邱玉潔)/ファン・リー(方励)
プロデューサー:リー・ユー(李玉)/ファン・リー(方励)
主演:ワン・チェン(万茜)、リー・ゲンシー(李庚希)、ホァン・ジュエ(黄覚)ほか
(2020年/中国/105分/北京語、中国語/
日本語字幕:鈴木真理子/原題:兔子暴力 The Old Town Girls)
©Beijing Laurel Films Co.,Ltd.
DICE+|ミニシアター・サブスク

Trailer

Introduction

2020年第33回東京国際映画祭でワールドプレミアとして上映され話題を呼び、中国で最も注目される新進気鋭の女性監督シェン・ユー監督の長編デビュー作『兎たちの暴走』。

エグゼクティブ・プロデューサーにはロウ・イエ監督の『天安門、恋人たち』を制作したローレル・フィルムの代表ファン・リーが務める。またプロデューサーには『ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅』の女性監督リー・ユーが務め、脚本にはロウ・イエ監督の『シャドウプレイ』で共同脚本を務めたチウ・ユジエが担当した。

シェン・ユーは、若い頃から芸術への関心が高く、北京電影学院の監督科を卒業後、美術の仕事で映画業界に入り、NHKなどのドキュメンタリー撮影や監督、CMディレクターなど俳優以外の映画に関わる仕事を経験してきた。今回初監督をするにあたり、母と娘が娘の同級生を誘拐し殺害したという2011年の実際の事件から着想を得て本作の映画制作に取り組みました。

映画の冒頭は、主人公の高校生シュイ・チンとそのクラスメイトのマー・ユエユエが誘拐され、身代金を要求された父親二人と、シュイ・チンの母親チュー・ティンが警察署に駆け込む場面から始まる。
母親チュー・ティンが車のトランクを開けた場面で、映画は事件が起きる前の街を出た母親チュー・ティンが黄色いスポーツカーに乗り娘の元に戻ってきたところへと時は巻き戻る。

シェン・ユー監督の一番好きな映画作品は、ダニー・ボイルの『トレインスポッティング』で好きな映画監督はポン・ジュノ、デヴィッド・フィンチャーだと言う。そんな監督だけあって、観客を映画の冒頭で一気に物語へと引き込む巧みな構成となっている。

実際に起きた事件を元に描く母と娘の悲劇
弱者がなぜ暴力を振るうに至ったのか、
脚本を書きながら理解したことは、
善と悪は紙一重だということです。
犯罪者の心にも善は存在しています。
シェン・ユー監督

Story

17歳の高校生シュイ・チンは、重工業が盛んな 四川省攀枝花市 しせんしょうはんしかし で父親と継母と弟の4人暮らし。
お金持ちだけど両親が不仲で悩みを抱えるグループのリーダー、ジン・シー。地元の広告モデルをするほどの美人だけど父親の暴力に怯えるマー・ユエユエ。そんな3人は喧嘩しながらも毎日楽しく高校生活を送っていた。

そんなある日、生まれて間もないシュイ・チンと古い街を捨て、成都へ行ってしまった彼女の実の母チュー・ティンが戻ってくる。憧れていた母との再会でシュイ・チンの生活は一変する。

Director’s Interview

地方の工業都市を舞台に、実際に起きた母と娘の悲劇を描く
『兎たちの暴走』公式インタビュー:
シェン・ユー(監督/脚本)

義理の母に嫌われている17歳の女子高生シュイ・チンは、幼い頃に別れた実母と再会し、その華やかさに魅了される。しかし親しくなるうちに実母が抱える過去のしがらみに巻き込まれ、一切を解き放つための誘拐事件を思いつく。2011年、中国で実際に起きた事件に着想を得た作品で、愛されたいあまりに(あるいは、愛されたいがゆえに)罪を犯す主人公の純心が衝撃的だ。母と娘の情愛をベースに、スリルに満ちたデビュー作を完成させたシェン・ユー監督にお話を伺った。


ー実際に起きた事件をもとにしたそうですが?
シェン・ユー監督(以下、シェン監督):脚本を書こうとする時期に事件の存在を知り、インスパイアされましたが、ありのままを映画にしたわけではなく、人物やストーリーはすべて脚色してあります。当時、中国では弱者の立場にある人々が暴力を振るう事件が急増していて、このことが映画のモチーフになっています。
ー四川省攀枝花市の高低差のある風土、重工業とマンゴーの街という土地柄が、独特の空気感をもたらしています。
シェン監督:大きな山と川に囲まれた丘陵にある工業都市という風土を求めて、攀枝花へロケハンに出かけましたが、あの市の空港は機体が下降しないで着陸するような断崖絶壁の上にあり、凄い土地だなと期待が膨らみました。
街へ行く道すがら煙突が沢山あり、住宅街にも地底のような場所が広がっている。食べ物も柔らかいものと硬いもの、甘いものと苦いものがあって、すべてにおいて落差が激しい。これは間違いなく映画の舞台になると確信しました。
ー実際、階段や傾斜のある道が出てきて、主人公の母娘は上下降を繰り返します。
シェン監督:脚本を書くときに日本のある小説を読んでいて、高台に成金が住み、下町には貧乏人が住んでいるという設定があって、それを参考にしました。シュイ・チンの家は大きな橋の下の陽の当たらない場所にあり、女子高生モデルのマー・ユエユエの家は橋からさらに下の、もはや人の住む場所ではない環境に設定しました。
ー『ブッダ・マウンテン〜希望と祈りの旅』(10/TIFF最優秀芸術貢献賞)のリー・ユー監督と、ロウ・イエ作品でも知られるファン・リーさんがプロデューサーを務めています。
シェン監督:リー・ユーさんは寛容な方で、「最初の発想を捨てるな、こだわりを持て」とずっと私を励ましてくれました。ファン・リーさんとは意見が衝突することもありましたが、そんな時は何が作品にとって最善なのかを基準に解決しました。ファン・リーさんはナイ・アンさん(彼女もロウ・イエ作品のプロデューサーです)と一緒に、マー・ユエユエを引き取ろうとする成金の夫妻役で出演しています(笑)。
ーメイ・フォンさん(TOKYOプレミア2020で『恋唄1980』が上映された)と共に、『シャドウプレイ』(18)の脚本に名を連ねている、チウ・ユージエさんの協力は?
シェン監督:ユージエは私の友人で北京電影学院の同窓です。互いに少しずつ書いて、一緒に読み合わせをしながら、ストーリーを紡いでいきました。
ー仲良しの女子高生3人の恋心や親に対する感情が繊細な彩りを添えています。
シェン監督:ロケハンに行った攀枝花市で現地の女子高生たちをリサーチしました。脚本はすでに完成していましたが、いろいろなお話が聞けたおかげで、豊かなディテールを加えることができました。
ートンネルが思春期のメタファーのように描かれていて印象的でした。学校の廊下が長いワンショットで捉えられているのもメタフォリカルで、お金持ちの娘ジン・シーは抜け出せたが、シュイ・チンは抜け出せない。戻って罪を犯すしかない、という感情を観る者に掻き立てます。
シェン監督:おっしゃる通りで、トンネルはとても重要な意味を持っています。人はトンネルを通る時、時間や空間を通過するような感覚に陥るもので、私はその感覚を呼び覚ましたくて、さまざまな形でトンネルを用いました。
最初に描いたのは母親とシュイ・チンがドライブに出るシーンですが、映画にトンネルを抜けたシーンはありません。「長い旅をしたいわね」というような会話をふたりはしますが、結局のところ実現しない。こんなふうに、様々なメタファーをトンネルに込めました。
ー後半、いくつもの分岐点が描かれます。シュイ・チンは誘拐した女の子にうっかり睡眠薬の入っていない自分のジュースを与えようとし、母親は誘拐した子を家に帰そうとするが、シュイ・チンが助手席から手を伸ばし、別のルートにハンドルを切ってしまう。できれば罪を犯したくないという親子の心情が溢れ出て、涙を禁じ得ませんでした。
シェン監督:今回、弱者がなぜ暴力を振るうに至ったのか、脚本を書きながら理解したことは、善と悪は紙一重だということです。犯罪者の心にも善は存在しています。
ー母親役にワン・チエンさんをキャスティングした理由は?
シェン監督:ワン・チエンさんはプロ意識が高く、女優としても魅力的でしたので、オファーしました。脚本を読んで、彼女もこの役を演じたいと言ってくれたので、互いの思惑が一致した形です。
ー女子高生役の3人は?
シェン監督:シュイ・チン役のリー・ゲンシーは見た目がとても可愛いけれど、どこか寂し気な雰囲気をまとっているところに惹かれました。金持ちの娘ジン・シー役の子は、実際にも気が強く、素人ですが堂々としていて、役にふさわしかったと思います。モデルをしているマー・ユエユエ役の子は、撮影時はまだ高校生でとても繊細で内気でしたが、私には心を開いてくれました。
@東京国際映画祭公式インタビュー
 2020年11月7日
インタビュー/構成 赤塚成人(四月社)
東京国際映画祭「TIFF Times」編集

Cast

  • ワン・チェン(万茜)

    ワン・チェン(万茜)

    チュー・ティン(曲婷)役/母親
    1982年、湖南省益陽市生まれ。俳優・歌手である。『軍中楽園』(14)で第51回金馬奨最優秀助演女優賞を受賞。『ザ・インサニティ(你好,疯子!)』(16)では第24回北京大学生映画祭最優秀女優賞を受賞。
  • リー・ゲンシー(李庚希)

    リー・ゲンシー(李庚希)

    シュイ・チン(水⻘)役/娘
    2000 年、浙江省杭州市生まれ。中学生の時アメリカに留学。15 歳の時、配信ドラマ『同学兩億歳』(18)でデビュー。2019 年、大ヒットドラマ『小歓喜』で脚光を浴びた。人気⻘春ドラマ『二十不惑』(20)主演で活躍。2023 年大ヒットドラマ『漫⻑的季節』出演。
  • シー・アン(是安)

    シー・アン(是安)

    シュイ・ハウ(水浩)役/父親
    1979年、上海市生まれ。上海師範大学謝晋影視芸術学院を卒業。1997年『高一新生』でデビュー。『国門英雄』(11)や『我的前半生』(17)などのヒットドラマに出演し、現在まで50本以上のドラマに出演し、高い演技力が認められている。その他にも、多くの出演作がある。
  • チャイ・イェ(柴燁)

    チャイ・イェ(柴燁)

    ジン・シー(金熙)役/クラスメイト
    1998年、河南省平頂山市生まれ。中国伝媒大学在学中。映画『兎たちの暴走』でデビュー。ドラマ『小敏家』(21)などに出演し、2023年、初めて主人公を演じた映画『表白吧!在卒業前』が公開される。
  • ホァン・ジュエ(黄覚)

    ホァン・ジュエ(黄覚)

    ラウトゥー(老杜)役/謎の男
    1974年、広西チワン族自治区南寧市生まれ。2002年、映画『恋愛中的宝貝(恋愛中のベイビー)』の主演としてデビュー。2022年の大ヒットドラマ『リセット(开端)』(22)に出演。
  • パン・ビンロン(潘斌龍)

    パン・ビンロン(潘斌龍)

    ラウマー(老馬)役/
    クラスメイト(ユエユエ)の父親
    1977年、黒龍江省鶏西市生まれ。1996年に入隊し、1997年に66014部隊の公演隊に入るも、2003年に除隊。2004年、中央戯劇学院の相声(中国の伝統的な話芸の1つ)表演班に合格し卒業。様々なバラエティ番組やドラマなどで頭角を現し、2018年 映画『クールフィッシュ(無名之輩)』で第10届澳門国際映画祭の助演男優賞を受賞。俳優業だけに留まらず、映画の助監督も経験。様々な分野での受賞歴や出演作品が数多く、多彩な経歴の持ち主でもある。
  • ユウ・ガンイン(兪更寅)

    ユウ・ガンイン(兪更寅)

    バイ・ハウウェン(白皓文)役/
    クラスメイト
    1996年、広東省生まれ。2016年中国のアイドルグループ「SWIN」でデビュー、リーダー兼メインボーカルを務める。2018年、SWINを離れ、個人事務所を設立。2019年、初の映画『兎たちの暴走』に出演。2021年、ソロファーストアルバム「夢原体」を発表した。
  • ヂォゥ・ズーユェ(周子越)

    ヂォゥ・ズーユェ(周子越)

    マー・ユエユエ(馬悅悅)役/
    クラスメイト
    2002年生まれ。『兎たちの暴走』がデビュー作。

Staff

監督:シェン・ユー(申瑜)

監督:シェン・ユー(申瑜)

プロフィール

1977年上海生まれ。北京電影学院を卒業。
コマーシャルのディレクターおよびアート ディレクターとしてだけでなく、映画芸術家および脚本家としても活躍。
2020年 映画『兎たちの暴走』が第33回東京国際映画祭「東京プレミア2020」ノミネート。2016年、本作の脚本が第1回CFDG(中国人若手映画監督サポートプログラム)に入選し、監督協会の助成企画に選ばれた。

プロデューサー: ファン・リー(方励)、ヤン・フェイフェイ(楊菲菲)
共同プロデューサー:チャン・ハンハン(張晗)
ライン・プロデューサー:リ・イエン(栗顔)、チャオ・ウエイ(趙偉)、チャン・ジエン(張健)
エグゼクティブ・プロデューサー: リー・ユー(李玉)、ファン・リー(方励)
脚本:シェン・ユー(申瑜)・チウ・ユジエ(邱玉潔)・ファン・リー(方励)
撮影:ワン・シチン(汪士卿)
音楽:ペイマン・ヤズダニアン(イラン)
録音:マー・イー(馬漪)
編集:シエン・ションウェン(咸盛元)(韓国)
衣装:ワン・タウ(汪韜)
キャスティングディレクター:リウ・チャン(劉暢)
アートディレクター:チャン・ジエタウ(張傑濤)
VFXディレクター:ア・トゥンリン(阿冬林)

Comment

  • 再会した母への痛々しい少女の愛が、ブレーキのない車のごとく悲劇へとまっすぐに突き進む。魅力を余すことなく漂着させる万茜の圧倒的な佇まい。そこには母と娘の一線を越えた愛さえ見出されもする——  。
    廃墟のステージや荒廃したトンネル、さびれた町の風景に黄色がちりばめられて映えわたるイメージ。桎梏しっこくから逃れて束の間、女たちが車で滑走するシーンの画面の煌めきはどうだろう。『兎たちの暴走』は漆黒の女性映画にして、中国ネオ・ノワールの現在形にほかならない。

    北村匡平
    (映画研究者/批評家)

  • 親子という繋がりの「眩しさ」と「儚さ」——  ―。
    主人公シュイ・チンと実母チュー・ティンとの関係のみならず、作中に出てくる幾つかの親子関係はすべて歪でありながら、根底には愛への希求がある。そのむきだし感がたまらなく美しい——  。
    花火のように眩しく儚い“一瞬の美”に心を奪われました。

    中村航
    (小説家)

  • 四川省の古びた街に住む、それぞれ親との関係に問題を抱えた三人の女子高生。あらゆる困難のなかでヒロインの実の母への想いだけは純真なのに、その想いこそが悲劇を生み出すのが痛ましい。少女たちが一緒に過ごした一晩の幸せな記憶はどこに行ってしまうのだろう。夜の闇のなかでの告白や、走る自動車の窓から顔を出す少女の微笑は永遠ではないのか。大河にかかる橋や打ち捨てられた劇場は、少女たちに何を語りかけるのだろう。

    伊藤洋司
    (中央大学教授)

  • 家族とは、なんでこんなに面倒くさいんだろう。血が繋がっているだけで、なぜこんなに受け入れられたくて頑張らないといけないのか。
    新たな自分の居場所を見つけるために、周囲の人を平気で傷つけてしまう。そんな自分に飽き飽きしていても、結局うっすらと見える希望を信じてしまう女たち。
    家族に対する不安から抜け出したいと思っている登場人物の、明らかに間違った選択に走るときの無謀な開放感に、悲しくも共感した。

    洪 先惠
    (脚本家)

  • 映像全体がとても美しく、四川省南部の小さな街、攀枝花をリアルかつ美的に描写している。 特に映画の中に出てくる四川方言や学校のシーンは、高校時代の思い出を蘇らせてくれた。 日本の皆さんはこの映画を通して、中国南西部の一般人の生活を垣間見ることができる。
    ストーリーは実話に基づき、人間の本質を探り、社会現象を暴く洞察に満ちた作品。ディテールやカメラ表現が豊富で、見応えのある映画。 リー・ゲンシーは最近注目されている中国の新世代女優で、彼女の演技に感動した!

    楊 小溪/ヤンチャン
    (Youtuber)

  • 急速に発展している中国の裏には、時が止まった街が数えきれないほどある
    街の中に生きている人々も、まるで迷宮に入ったように未来を失った。家族も家族でなくなり、母親も母でなくなった。
    シェン・ユー監督は、鋭い視点でOld Townに閉じ込められたGirlsを主人公にし、現代中国における家庭問題、母娘問題、更に格差問題まで大胆に疑問を投げた。
    ワン・チャオ、リー・ユー、リー・ルイジンなど才能ある若い作り手を世に送り出し続ける名プロデューサーファン・リーは、また素晴らしい新鋭を発掘した!

    徐昊辰
    (映画ジャーナリスト)

  • 本作で印象的に使われる曲が、与非門(ユイフェイメン)という中国のバンドの「楽園」だ。少女たちの束の間の幸せな時、そしてエンドロールで流れる。
    この曲は2004年リリースの与非門の代表作『10楽園』に収録され、彼らは中華圏で多くの音楽賞を受賞した。作詞はメンバーの三少と蒋凡、作曲は三少。
    与非門は1995年頃結成、一度解散した後2000年に3人で活動を再開した。彼らのエレクトロニック・ロック・サウンドを当時聴いた時、香港に近い広州のバンドらしくお洒落だな、と感じたことを覚えている。
    「楽園」は、90年代中華圏を代表するシンガー王菲(フェイ・ウォン)のお嬢さんと言う必要がないほど活躍している竇靖童(リア・ドウ)も自身が主演する映画の主題曲としてカヴァーしているが、確かに、けだるいサウンドに乗る「誰もが楽園を探す/憂いのない楽園を」と歌われるこの曲は今も十分にクールだ。余談だが、少女たちが酔っぱらってそれぞれの“遺言”を話すところでシュイチンが「我願意(私が望むのは…)」と言うと、友人が少しだけ歌うのはフェイ・ウォンの「我願意」…ですよね。
    与非門は2020年に中国の大手エンタメ会社「魔登天空」と契約した。が、なんと3人のメンバーのうちキーボードの三少が21年に、そして今年3月ヴォーカルの蒋凡が亡くなってしまう。一人残されたギターの阿慶は音楽を続けるとメッセージしているようだが、阿慶こそ今この歌を噛みしめているのではないか。それでも、素晴らしい楽曲は必ず残ってゆく。

    関谷元子
    (音楽評論家)

(敬称略/順不同)