監督・製作・撮影・編集:マシュー・ハイネマン(『カルテル・ランド』) 製作総指揮:アレックス・ギブニー(アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞『闇へ』監督)
(2017/アメリカ/92分/英語・アラビア語/1:2.35/5.1ch/DCP) 配給:アップリンク
*本作は損傷の激しい遺体、残虐な処刑のシーンがありますので、あらかじめ了承の上ご覧ください。また、16歳未満の年少者は保護者指導の元による鑑賞をお願いします。
監督・製作・撮影・編集:マシュー・ハイネマン(『カルテル・ランド』) 製作総指揮:アレックス・ギブニー(アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞『闇へ』監督)
(2017/アメリカ/92分/英語・アラビア語/1:2.35/5.1ch/DCP) 配給:アップリンク
*本作は損傷の激しい遺体、残虐な処刑のシーンがありますので、あらかじめ了承の上ご覧ください。また、16歳未満の年少者は保護者指導の元による鑑賞をお願いします。
本編92分/16:9LB/ビスタサイズ/カラー/片面1層/1枚組/音声:アラビア語・英語(日本語字幕) /ドルビーデジタル ステレオ
発売元:アップリンク
販売元:株式会社JIGGY FILMS
本作の公開期間中、劇場に募金箱を設置し、皆様からラッカの街の復興活動と国際社会への報道活動を続けるRBSSへ支援金を募りました。合計264,237 円が集まりました。多くのご支援をありがとうございました。この度、RBSSへ送金したことをご報告いたします。
なお、2018年4月6日に早稲田大学で開催した先行上映シンポジウムにもSkype出演してくれたRBSSメンバーのハッサン・イーサ氏より、現在のRBSSの活動状況について次のようなメールが昨日届きました。「RBSSは現在もラッカの街外れで、そしてデリゾールとハマーで、ISISの情報を収集しています。同時に、ラッカにいるチームは侵害の記録を続けていて、ISに捕らわれ消えた人々の手がかりも探しています。また、 われわれはラッカにある他の組織と共同で、市民ジャーナリスト志望の人々や、女性の権利をサポートする団体を手助けしています」。
募金にご協力いただいた皆様に、重ねて御礼申し上げます。
2019年3月8日
アップリンク
戦後史上最悪の人道危機と言われるシリア内戦。2014年6月、その内戦において過激思想と武力で勢力を拡大する「イスラム国」(IS)がシリア北部の街ラッカを制圧した。かつて「ユーフラテス川の花嫁」と呼ばれるほど美しかった街はISの首都とされ一変する。爆撃で廃墟と化した街では残忍な公開処刑が繰り返され、市民は常に死の恐怖と隣り合わせの生活を強いられていた。
海外メディアも報じることができない惨状を国際社会に伝えるため、市民ジャーナリスト集団“RBSS”(Raqqa is Being Slaughtered Silently/ラッカは静かに虐殺されている)が秘密裡に結成された。彼らはスマホを武器に「街の真実」を次々とSNSに投稿、そのショッキングな映像に世界が騒然となるも、RBSSの発信力に脅威を感じたISは直ぐにメンバーの暗殺計画に乗り出す――。
「メキシコ麻薬密売地帯に危険を顧みず潜入した前作『カルテル・ランド』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞候補になるなど各国の映画祭で高い評価を受け、ドキュメンタリー作家として一躍その名を世界に轟かせたマシュー・ハイネマン監督。彼が次にカメラを向けたのは、5年間での死亡者が47万人*にものぼるシリア内戦だった。その内戦で兵士ではなく、市民が結成したジャーナリスト集団“RBSS”(Raqqa is Being Slaughtered Silently/ラッカは静かに虐殺されている)。彼らがスマホを武器に闘うニュータイプの戦争に迫る。製作総指揮にアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞『「闇」へ』を監督したアレックス・ギブニーが務め、想像を絶するほどの極限の緊迫感を持つドキュメンタリーが完成した。
*2011年~2015年の推定数:シリア政策研究センター調べ
※イスラム国の表記について
本編字幕における「イスラム国」の呼称に関して、シリア人が発言している部分は、初出の「ダーイシュ」にISとルビを振り、 以降はISとしています。これは、アラビア語圏ではISに敵対する立場から、アラビア語での組織名(Islamic State in Iraq and al-Sham)の頭字語をとった(ダーイシュ)という呼び名が定着しているためです。ダーイシュは、(ダーイス=踏みにじる者)や(ダーヒス=裏切り者)といった否定的な ニュアンスのある語に近い発音や綴りを有しています。また、 「イスラム国」自身の発言部分については、そのまま「イスラム国」としています。
年間ベストの1本
ポール・トーマス・アンダーソン(映画監督『マグノリア』『ファントム・スレッド』)
現実の出来事とは思えない
衝撃のポリティカル・スリラー
Paste Magazine
想像を絶する
The Times UK
ジャーナリズムの力の証明だ。
The Guardian
現在進行中のシリア戦争を描いた
最高に聡明で且つ圧倒的なドキュメンタリー
Slant Magazine
ジャーナリズムの凄まじい視点である
The Economist
心を奪われるノンフィクション・スリラー
Daily Herald
全てのフレームにて生と死があり、
決して忘れる事のできない作品だ。
The Film Stage
RBSSの共同創設者の一人で、スポークスマン。撮影当時25歳。ラッカで育ち、ラッカ大学で生物学を学ぶ学生だった。学生時代、シリア革命の活動に参加、アサド政権、及びシリア政府に抵抗する組織を作り始める。2014年、ISのラッカ侵攻後、彼の故郷でのISによる人権蹂躙を報道するため、仲間とRBSSを創立。
撮影当時23歳、RBSSの共同創設者の一人。高校時代、シリア革命の活動に参加し、ラッカのデモの撮影を始めた。2014年にRBSSに参加。初めての子供に、亡くなった父の名を取ってモハメドと名付けた。
撮影当時34歳、RBSSの記者。RBSSに参加する前は、ラッカで農業省の職員、地元のレスキュー隊の責任者、数学教師など多くの職に就いていた。教師をしていた時、生徒の一人がSNS上でアサド政権を批判して逮捕、拘束されたと知り、その日に革命に参加、身を投じることを決意。
撮影当時27歳、RBSSの共同創設者の一人。グループの活動に加わる前はダマスカス大学のロー・スクールに通っていたが、アサド政権が革命に参加した大学生を逮捕し始めたため、大学を中退して故郷のラッカに戻り、RBSS設立に協力した。
ラッカの街の復興活動、国際社会への報道活動を続けるRBSS(Raqqa is Being Slaughtered Silently/ラッカは静かに虐殺されている)は世界中からの支援をもとに活動を続けていますが、資金が足りない状況が続いています。是非彼らの活動を支援しませんか?
以下のRBSS公式サイトの右上にある「DONATE」ボタンをクリックして任意の金額をご入力いただき、クレジットカードでお支払いいただけます。
※現在、 PayPalアカウント経由での日本からの寄付支払いはサポートされていません。
1983年生まれ。ニューヨーク在住。前作『カルテル・ランド』はアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞候補作。本作『ラッカは静かに虐殺されている』では、英国アカデミー賞(BAFTA)ドキュメンタリー部門ノミネート、 DGA全米監督組合賞 ドキュメンタリー監督賞、 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭では審査員大賞受賞、CPH:DOX 2017観客賞受賞するなど多くの映画祭で高い評価を受けている。
アメリカのドキュメンタリー映画監督兼プロデューサー。エスクァイア誌で「この時代の最も重要なドキュメンタリー作家」、ニューヨーク・タイムズ紙では「米国で最も成功した多作のドキュメンタリー映画作家」と評される。これまでの作品には2007年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した『「闇」へ』、エミー賞を受賞した『ゴーイング・クリア:サイエントロジーと信仰という監禁』(2015年)、『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』(2005年)など。
監督・製作・撮影・編集:マシュー・ハイネマン(『カルテル・ランド』)
製作総指揮:アレックス・ギブニー(アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞『闇へ』監督)
(2017/アメリカ/92分/英語・アラビア語/1:2.35/5.1ch/DCP)
COMMENTS
敬称略・五十音順
小島秀夫
ゲームクリエイター
スマホとSNSで最凶の虐殺に立ち向かう市民ジャーナリズム集団RBSSと、彼らに命がけで寄り添い続ける映画のカメラ。監督のマシュー・ハイネマンは、旧来のジャーナリズムを飲み込んだSNSの"生"情報拡散時代における"ドキュメンタリー"の意志を、『カルテル・ランド』に引き続き、あらためて我々に突きつける。
さいとう・たかを
劇画家『ゴルゴ13』
とんでもない映画です。とにかく凄まじい。
観るのが辛い映画です。でも、目を逸らしてはいけない。
桜木武史
ジャーナリスト
「イスラム国」からの度重なる脅迫にも屈することなくラッカの状況を伝える市民記者。現場で何が起きているのか。命を犠牲にしてまでも伝えたい彼らの強い意思にシリア内戦の複雑な様相が垣間見える。渾身の記録である。
髙田延彦
元総合格闘家・髙田道場代表
報道で目にしてきた凄惨なシリア内戦やISの裏側にこの様な人間ドラマがあった事実を初めて知った。あの絶望的な状況下で、もしRBSSが存在しなかったら。家族や仲間、故郷を奪われ破壊が続く中で、もし彼らが立ち上がって行動を起こしていなかったら。ラッカの真実が世界の人々に届く事はなかっただろう。真の平和は見えるのか?この現実はハッピーエンドとは無縁な話だ。
ダースレイダー
ラッパー
凄まじく苛烈なIS支配下の状況には言葉を失い、涙が出てくる。これは何に対しての涙なのか?ドイツで勃興する排外主義者のデモ、ISに洗脳されていく子供たち。この光景はなんだ?別世界ではない。僕らが住むこの社会と地続きの同じ世界での出来事だ。ラッカのような事態になってから学ぶのでは遅い。その意味でも僕たちへの希望のような作品である。
七尾旅人
シンガーソングライター
ポスト9.11そしてSNS以降、流動性の極めて高まったオルタナティヴな武力がひしめき合う21世紀の戦場の苛烈な速度に拮抗し、希望の火を灯そうとする、かつてないドキュメンタリー映画。情報はたちどころに人を殺すが、時に、生かしもする。この命がけの作品が、ひとつでも多くの網膜に刻まれることを願う。
原一男
映画監督
映画を観ている間じゅう鳥肌が立って、観終わってもしばらく引かなかった。たまらなく怖かった。暴力的、理不尽な死がかくも日常的な風景になった。阿鼻叫喚の地獄の様をこの現世に実現させてしまった人間の怖さ。このニッポン国の、明日にもその地獄図絵が迫っているという危機感をニッポン人は理解しているだろうか?
深町秋生
ミステリ作家
公開処刑、斬首、無差別テロに暗殺……ISの蛮行に改めて言葉を失い、この最悪の武装集団に立ち向かう者たちの悲痛な運命に、何度も息を呑んだ。あるメンバーの「まともな死に方をしたい」という言葉が忘れられない。マシュー・ハイネマンがメキシコ麻薬戦争に続いて、またも現代の暗黒を我々に突きつけてくれた。
藤原ヒロシ
音楽プロデューサー
ニュースで報道されている以上に生々しく、物悲しい。
解放されたはずのラッカではあるけど、今も大きな問題がある。
松尾スズキ
作家・演出家・俳優
自分が気軽に飲み会の動画なんかを撮っているスマホ、ラッカの街中で射殺される捕虜を撮っているスマホ、どちらも同じ機材、同じ画質という事実、それが他人事の垣根をやすやすと乗り越え、とてつもない恐怖として迫ってくる。
丸山ゴンザレス
ジャーナリスト・編集者
RBSSと同じジャーナリストを名乗る自分の取材視線は交わることはない。市民記者たちはスマホを武器にした兵士であって、もっとも危険な現場からISと戦った当事者であるからだ。彼らが再び普通の市民に戻る日が来ることを祈る。
三上智恵
ジャーナリスト・映画監督
身近なスマホが、ここまで戦争・テロという人類最大の悲劇に抗う武器になるとは。一市民の発信が世界を動かす可能性に希望を見ると同時に、暗号化や瞬時のデータ削除に失敗すれば、文字通り命取りになる現実に震える。彼らRBSSが示した力は、SOSを受け取る安全圏にいる人々の善意に依拠している。つまりこの映画を見に来たあなたであり、私の持つ正義や行動力が闇に対抗する主役だということだ。私もそれを信じて沖縄から発信する者の一人だ。
柳下毅一郎
映画評論家・特殊翻訳家
自分の街が処刑場になり、何かに言い返すだけで銃口が向けられるとき、自分は何をできるだろうか。パーティで屈託なく笑う人になるのか、最後までこわばった顔のままでいる人間になるのか、映画はそれを問いかける。