映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』

映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』

映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』

監督:ジョン・グエン、リック・バーンズ、オリヴィア・ネールガード=ホルム(『ヴィクトリア』脚本) 出演:デヴィッド・リンチ
(2016年/アメリカ・デンマーク/88分/英語/DCP/1.85:1/原題:David Lynch: The Art Life)配給・宣伝:アップリンク

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販売元:TCエンタテインメント
(C)Duck Diver Films & Kong Gulerod Film 2016

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劇場パンフレット

カラー64ページ、映画オリジナルカード付き!

収録コラム
「イノセント・ミーツ・ナイトメア」滝本誠(映画・美術評論家)
「“名付けられないむき出しの怖さ”を浮き彫りにするリンチ作品」湯山玲子(著述家、プロデューサー)
「画家リンチは一言“ハッピー・バイオレンス! "と応えた」飯田高誉(インディペンデントキュレーター)
「アート、そしてライフ。リンチの幸せな分裂について」高橋ヨシキ(デザイナー、映画ライター)
「絵画、映画、かすかなしるし」大谷能生(音楽/批評)

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本作の劇場パンフレットP.18の[著作]にある『看護婦涜す』という書籍は、デヴィッド・リンチと同姓同名の別の著者の作品でしたので、下記のとおり訂正し、謹んでお詫びいたします。

【誤】

[著作]
1982年 看護婦涜す(東京三世社/小山卓訳)
1992年 ツイン・ピークスの歩き方(共著/扶桑社/田中克己ほか訳)
1997年 ロスト・ハイウェイの歩き方(共著/扶桑社/小林正明訳)
1999年 デイヴィッド・リンチ──映画作家が自身を語る(フィルムアート社/廣木明子、菊池淳子訳)
2012年 大きな魚をつかまえよう──リンチ流アート・ライフ∞瞑想レッスン(四月社/草坂虹恵訳)

【正】

[著作]
1992年 ツイン・ピークスの歩き方(共著/扶桑社/田中克己ほか訳)
1997年 ロスト・ハイウェイの歩き方(共著/扶桑社/小林正明訳)
1999年 デイヴィッド・リンチ──映画作家が自身を語る(フィルムアート社/廣木明子、菊池淳子訳)
2012年 大きな魚をつかまえよう──リンチ流アート・ライフ∞瞑想レッスン(四月社/草坂虹恵訳)

また、P.60の裕木奈江さんのコメントの末尾に不要な一文が入る誤りがありましたので、ここに謹んで訂正いたしますとともに、裕木奈江さん並びに読者の皆様には、ご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。

【誤】

ボブ・ディランのライブを中座した青年が、ジョージ・ルーカスからの『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』監督オファーを断り、後に『ブルーベルベット』や『マルホランド・ドライブ』を作る。“コーヒーを飲み、タバコを吸い、絵を描く。創作の喜びをひたすら極める生き方”を選んだ彼の顔は、歳を重ねるごとに耽美になる。その全てに鳥肌が立った。

【正】

ボブ・ディランのライブを中座した青年が、ジョージ・ルーカスからの『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』監督オファーを断り、後に『ブルーベルベット』や『マルホランド・ドライブ』を作る。“コーヒーを飲み、タバコを吸い、絵を描く。創作の喜びをひたすら極める生き方”を選んだ彼の顔は、歳を重ねるごとに耽美になる。

リンチが紡ぐ「悪夢」はどこから生まれるのか?

『ツイン・ピークス The Return』で再び世界を騒がせる、
映画界で最も得体の知れない監督―
その「謎」が「謎」でなくなる、かもしれない。

映像作品のみならず、絵画、写真、音楽など様々な方法で表現活動を続けているデヴィッド・リンチ。1990年に放送され世界中でブームを巻き起こした伝説のテレビシリーズ『ツイン・ピークス』の続編『ツイン・ピークス The Return』(2017年)は、第70回カンヌ国際映画祭で特別上映され、世界中の人々を再び熱狂させている。

「その頃の僕の世界はとても小さく、近所の数ブロックに全てがあった」ハリウッドにある自宅兼アトリエで語られる過去。「恐怖が垂れ込める意地の悪い街」フィラデルフィアでの日常。その中に潜む「恐怖」「苦悩」は、まるでリンチ作品の登場人物のような姿で私たちの前に現れては消えていく。

映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』 映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』

才能を持て余した美術学生時代の「退屈」と「憂鬱」、
悪夢のような街フィラデルフィアの暮らしを
奇才デヴィッド・リンチが自らの口で語る。

カメラの存在を感じさせない25時間もの親密なインタビューを捉え、あえて謎解きを観客に委ねる構成に拘ったと話すのは、前作『リンチ1』(2007年)からリンチとの信頼関係を築いてきた本作の共同監督のひとり、ジョン・グエン。自作について多くを語ってこなかったリンチが、自分自身の人生について語るきっかけになったのは、2012年の末娘の誕生だったという。この映画は、人生を振り返る時期に来た父から幼い娘への贈り物でもあるのだ。

アメリカの小さな田舎町で家族と過ごした幼少期、アーティストとしての人生に憧れながらも溢れ出る創造性を持て余した学生時代の退屈と憂鬱。後の『マルホランド・ドライブ』(2001年)美術監督である親友ジャック・フィスクとの友情。生活の為に働きながら、助成金の知らせを待った日々。そして、当時の妻ペギーの出産を経てつくられた長編デビュー作『イレイザーヘッド』(1976年)に至るまでを奇才デヴィッド・リンチ自らが語りつくす。

映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』

催眠術をかけられたよう。
アメリカで最も独創的な映像作家の人生と頭の中を覗きみた。
Little White Lies

アトリエで愛娘の存在を感じながら創作する姿を
親密に捉えた貴重なドキュメンタリー。
AVclub

映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』
映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』

デヴィッド・リンチ

David Lynch

デヴィッド・リンチ

1946年アメリカ・モンタナ州生まれ。映画監督、脚本家、プロデューサー、画家。

米コーコラン・スクール・オブ・アーツ、ペンシルベニア美術アカデミー、アメリカン・フィルム・インスティテュートで絵画から映像制作を学び、映画『イレイザーヘッド』(1976年)で監督デビュー。その不気味で不可解な自主映画は全米で話題となり、独立系映画館の深夜上映にもかかわらずロングランヒットする。当時、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の『エル・トポ』(1970年)や、ジョン・ウォーターズ監督の『ピンク・フラミンゴ』(1972年)、ジム・シャーマン監督の『ロッキー・ホラー・ショー』(1975年)と並び、ポップカルチャーに大きな影響を与えた作品として「ミッドナイト・カルト」と呼ばれ、一部の観客たちに熱狂的に支持された。

次作『エレファント・マン』(1980年)はアカデミー作品賞にノミネート、『ブルーベルベット』(1986年)ではアカデミー監督賞にノミネートされる。『ワイルド・アット・ハート』(1990年)では、カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞。『マルホランド・ドライブ』(2001年)でカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞する。米国や日本でも大ヒットしたTVドラマ『ツイン・ピークス』(1990~1991年)の続編『ツイン・ピークス The Return』(2017年〜)でも監督を務め、大きな話題を呼んでいる。

映画のみならず現代アートや音楽の分野でも活躍し、2010年には、美術界において権威のある「Goslar Kaiserring award for 2010」を受賞した。

STAFF

監督

ジョン・グエン

Jon Nguyen

ジョン・グエン

デヴィッド・リンチのドキュメンタリー3部作『リンチ1』(2007年)、『Lynch 2』、『デヴィッド・リンチ:アートライフ』(2016年)に携わる。デヴィッド・リンチが提供するインタビュー作品『Germany』の共同プロデューサーでもある。

監督・編集

オリヴィア・ネールガード=ホルム

Olivia Neergaard-Holm

オリヴィア・ネールガード=ホルム

2013年、国立オランダ映画学校を卒業。長編映画やドキュメンタリー、ミュージックビデオ、CM作品の編集を手掛ける。脚本家としてのデビュー作『ヴィクトリア』(2015年)は2015年ベルリン国際映画祭最優秀芸術貢献賞を受賞。

監督

リック・バーンズ

Rick Barnes

リック・バーンズ

名前は偽名で、正体は明かせないという。

TRAILER

COMMENTS

敬称略・順不同

塚本晋也

映画監督

デヴィッド・リンチの創作の謎に迫っていて、とても面白く、興味深かったです。リンチと切っても切り離せないアート。それが動くというシンプルな喜びからリンチの映画の歴史が始まっていたのですね。後期の映画ほど、ここに映された初期映像作品の原点に戻ってゆく。そう感じました。そして原動力であるアートに回帰しどんどん自由になってゆく姿に勇気付けられました。

内田春菊

漫画家・作家

人物と作品の両方に興味を持つということは、実はとても大変で罪深いことだったのだ。作品だけでよかったかも、と後悔するような重みのあるシーンもちらほら。もしもああやって目の前で語られていたら、私はその有り難い疲れを消化するのに何日かかるだろうか。

木下理樹

ART-SCHOOL

フランシス・ベーコンの絵を観ると、よくリンチの映画のワンシーンが頭によぎる事があった。美しい悪夢。一体リンチはどうゆう発想でこうゆうシーンが思い浮かぶのだろう…と前から興味があった。自伝も読んだ。そしてツイン・ピークスの続編で再び世界を騒がせたリンチのドキュメンタリー!

意外にも、愛娘とアトリエで絵を描いてるシーンが親密で愛おしかった。この監督、やっぱ面白いわ。

斎藤環

精神科医、批評家

絶え間ない創作行為の連続こそがリンチをリンチたらしめる。指で絵の具とたわむれるように描き続ける画家リンチ。様々な媒質と対話しながら、異様なイメージを析出させるリンチ・システム。その謎めいた創造の秘密には、得体の知れない感染力がある。

タカノ綾

アーティスト

リンチはリンチにならざるを得なかった。父や兄弟からの理解が全く得られなくても、この道を進むしかなかった。そのことがよく分かります。そしてリンチが自分について赤裸々に語れば語るほど、謎と神秘は深まり、観る人は、世界の深淵を覗きこむでしょう。

裕木奈江

女優

ボブ・ディランのライブを中座した青年が、ジョージ・ルーカスからの『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』監督オファーを断り、後に『ブルーベルベット』や『マルホランド・ドライブ』を作る。

“コーヒーを飲み、タバコを吸い、絵を描く。創作の喜びをひたすら極める生き方”を選んだ彼の顔は、歳を重ねるごとに耽美になる。

会田誠

美術家

大金を動かすメジャーなハリウッドの監督ではあるけれど、「生涯一美大生」みたいな人でもあることがよくわかりました。

普通の善良な家庭で育ったにもかかわらず――であるからこそ――こういう人物になったということも、なんとなく納得できました。

子供の頃から微かな遠雷のように感じていた「生の不穏さ」のようなものを、美大の暗く孤独なアトリエの中で、人知れず育んでいったんだなあ‥‥と。

伊藤潤二

漫画家

デヴィッド・リンチが画家でもあることをはじめて知りました。そしてそのイマジネーションに満ちた作品群に驚くとともに、大いに納得しました。

新しいアイデアの背後に彼の歩んだ人生がある。そして映画は絵画に、絵画は映画に相互に刺激を与えながら、彼の芸術は、より高みへと昇華したのだと思います。

中田クルミ

モデル/女優

無常に流れていく時間の中で、誰の心にもうっすらと存在し続ける"不安"
その部分を冷たいものでそっと撫でられるような気持ちになる。冷たい水で洗われるような感覚にも近いかな。

彼自身が人生の中で感じ取った感情が、彼の作品の中には流れている。人の人生が一つとは限らないんだなと教えられた。

平山夢明

作家

我々は知っている。この世にデヴィッド・リンチという<魔都>が存在することを。そこには決して逃れることのできない蠱惑こわく的退廃と致命的依存が潜んでいることを……。

魔術的なまでに俗世を掻き回し、惑乱させ続ける鬼才の藝術の原点。その源泉を我々は目撃する。

映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』

監督:ジョン・グエン、リック・バーンズ、オリヴィア・ネールガード=ホルム
出演:デヴィッド・リンチ 音楽:ジョナサン・ベンタ 配給・宣伝:アップリンク
(2016年/アメリカ・デンマーク/88分/英語/DCP/1.85:1/原題:David Lynch: The Art Life)
©Duck Diver Films & Kong Gulerod Film 2016

DUCK DIVER FILMS presents in association with KONG GULEROD FILM XANF STUDIO and HIDEOUT FILMS a film by JON NGUYEN RICK BARNES OLIVIA NEERGAARD-HOLM
Produced by JON NGUYEN JASON S. SABRINA S.SUTHERLAND Co-produced by DOMINICK DUDA ANDERS V.CHRISTENSEN KRISTINA MAAETOFT UDSEN MARINA GIRARD-MUTTELET Edited by OLIVIA NEERGAARD-HOLM
Cinematography by JASON S. Music composed by JONATAN BENGTA Additional music composed by JOSEF MARIA SCHÄFERS STELLA LUNCKE CLAYTON THOMAS BERND ÖSZEVM Sound design by PHILIP NICOLAI FLINDT
Executive producers ADAM GOLDBERG LAWRENCE MAKOW CHRISTOPHE VANDAELE KURT S.KITTLESON ALEXANDRE GAMA VINCE DI MEGLIO AGA WASIAK JOSEFINE BOTHE