• 花火

花火

1947年/白黒/15分

アンガーが17歳の頃に監督・撮影・編集・主演を兼ね完成させた、実質上の処女作。ハリウッドにあるアンガーの祖母の家で、家族が出かけている間に撮影された。撮影助手は写真家のチェスター・ケスラーが担当し、音楽はイタリア人作曲家レスピーギのレコードを使用している。性的な妄想にとりつかれた少年をアンガー自身が演じている。大挙して押し寄せる水兵たちに少年が暴行を受けるなどのサド・マゾ的、同性愛的描写や、ペニスが花火に変わるといった性衝動のイメージにより、作品が発表されるとアンガーはわいせつ罪で逮捕されてしまう。事件はカリフォルニア州最高裁判所に持ち込まれたが、裁判所はポルノではなく芸術であると見なし、彼は無罪となった。この作品をきっかけに性科学者アルフレッド・キンゼイとの交流が始まり、1956年にキンゼイが亡くなるまで友情を育んだ。