1949年東京生まれ。武術研究者。1978年自分自身が納得いく武術の研究をするため武術稽古研究会松聲館(しょうせいかん)を設立(同会は2003年、発展的に解散)。

「踏ん張らない、捻らない、ためない」という従来のスポーツ運動論の枠にはまらない独自の身体操作論にもとづき、人の身体の仕組みに逆らわず、負担を極力減らす術理、技法を探究する。また日本に古くから伝わる「ナンバ歩き」いち早く紹介し世に広めた事でも有名。

甲野の追求する身体操作術は、日常生活の動きを始め、スポーツ、楽器演奏、舞踏、演劇、さらには介護医療といった異分野でも取り入れられている。実際に桑田真澄投手に身体操作術を指導し、桐朋高校バスケットボール部をインターハイに導き、女子バスケットボール日本代表・浜口典子選手を復活させ、卓球の平野早矢香選手が2年連続でチャンピオンになるなど、スポーツへの応用が注目される。他には、演劇界では佐野史郎、武田鉄矢、また宇宙飛行士の野口聡一氏が身体の使い方で指導を受ける。

講演会やワークショップを全国各地で開いており、空手、柔道などの武道から、スポーツ、介護、楽器演奏、演劇など様々な分野で身体操作術の応用を提案している。
著書も多数有り、田中聡との共著『身体から革命を起こす』(新潮社)、養老孟司との共著『自分の頭と身体で考える』(PHP研究所)、井上雄彦との共著『武術への招待』(宝島社)、内田樹との共著『身体を通して時代を読む』(バジリコ)、他多数。

甲野善紀公式HP 『松聲館』
http://www.shouseikan.com/