『ジャマイカ 楽園の真実』をもっとよく理解するためのキーワード。ジャマイカの現状、日本に住む私たちにできることを考えるのにも、きっと役立ちます!


政治・経済面
IMF(国際通貨基金:International Monetary Fund)
世界銀行(World Bank)
IDB(米州開発銀行:Inter-American Development Bank)
NAFTA(北米自由貿易協定:North American Free Trade Agreement)
フリーゾーン(自由貿易地域)
WTO(世界貿易機関:World Trade Organization)
G7
ロメ協定
ACP(アフリカ・カリブ海・大平洋諸国)

文化面
ラスタファリアニズム
パトワ語
ゲットー

注目の「ひと」特集
ジャメイカ・キンケイド










 

 

政治・経済面
 
 
IMF(国際通貨基金:International Monetary Fund

国際的な通貨協力を通じて、国際貿易の発展と加盟国の経済成長を促進することを目的とする国際金融機関。1944年7月、ブレトン・ウッズ会議(米国ニュー・ハンプシャー州ブレトンウッズで開催された連合国国際通貨金融会議)によって世界銀行とともに設立が定められ、1947年3月1日より金融業務を開始。本部はアメリカのワシントンに置かれている。2005年6月現在の加盟国は184か国。日本は1952年に加盟、米国に次ぐ出資国である。ジャマイカは1963年に加盟。IMFの目的は、国際レベルで金融、通貨、財政の安定を維持することである。しかし、実状は構造調整計画(SAP)と呼ばれる厳しい条件付きで融資をする。この構造調整計画は、高金利、地域通貨の切り下げなど、債務国の経済と労働市場の構造を変えてしまうものであるが、政府に選択の余地はほとんどない。金が欲しければプログラムを実施せよ、というのが「IMF融資条件」と呼ばれるもの
である。

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世界銀行(World Bank)
一般に国際復興開発銀行(IBRD:International Bank for Reconstruction and Development)と国際開発協会を意味する。公的な金融機関である国際復興開発銀行は、1944年のブレトンウッズ会議で協議され翌年1945年に設立された。設立の目的は発展途上国の政府や民間企業に対して、融資や技術協力などをおこない、社会基盤の整備など発展途上国が発展するために支援をすることを目的としているが、IMFと同様に実際は借り入れ国に対して、厳しい条件を課している機関なのである。
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IDB(米州開発銀行:Inter-American Development Bank

1959年12月に世界で最初の地域開発国際機関として設立。ラテンアメリカ・カリブ海諸国における社会・経済開発のみならず貿易や地域統合を促進するための多国間開発金融機関として、世界銀行に次ぐ規模を有している。本部はアメリカのワシントンに置かれている。もともとラテンアメリカ諸国とアメリカ合衆国により設立されたが、その後カリブ海諸国、カナダ、ヨーロッパ16カ国、イスラエルおよび日本に拡がり、現在46ヶ国が加盟している。借入加盟国の政策立案の支援及び、環境問題、経済発展、競争力強化、社会平等、貧困削減、国家の近代化、自由貿易及び地域統合の実現のための金融・技術支援を目的としている。
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NAFTA(北米自由貿易協定:North American Free Trade Agreement)

米国、カナダ、メキシコ3国間の自由貿易協定で、1992年8月基本合意に到達、1994年1月1日に発効。
目的は、公正な競争条件の促進、投資機会の拡大、知的財産権の保護、紛争解決手続きの確立、協定の拡大・強化のための3ヶ国間、地域間、多国間の枠組の確立である。NAFTA発効後、NAFTA域内の貿易は拡大している。特に、米国・メキシコ間の貿易は輸入・輸出ともに顕著に拡大しつつある。フリーゾーンはNAFTAにより、ジャマイカからさらに賃金の安いメキシコやドミニカ共和国へ移りつつある。
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フリーゾーン(自由貿易地域)

経済特区の一種で、税制優遇措置などを通じて企業誘致を行っている地域。ジャマイカでは、キングストンやモンテゴ・ベイの沿岸部にある。多国籍企業誘致のための工場地帯として、ジャマイカ政府の肩入れで設けた地域で、同種の地域はカリブ海の他の国々にもある。1994年に北米自由貿易協定(NAFTA)が発足してからは、ジャマイカのフリーゾーン製の衣料品はアメリカ合州国市場でのシェアをメキシコ製品に譲ることになり、フリーゾーンの工場の多くが閉鎖されてしまい、失業者がさらに増えるという結果になった。現在、企業は他のハイチやドミニカ共和国などといったさらに低賃金の国々へと移っている。ジャマイカのフリーゾーンもわずかに残っているが、そのほとんどがモンテゴ・ベイにある。
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WTO(世界貿易機関:World Trade Organization
1995年1月に「関税と貿易に関する一般協定」(ガット:GATT)の後身として発足した世界貿易の自由化と秩序維持の強化を目指す国際機関。本部をスイス、ジュネーブに置く。国家間貿易が円滑に、そして自由に流れることを確保することである。発足時の加盟国数は76で現在の加盟国数は147。日本は発足時に、ジャマイカは1995年3月9日に加盟した。
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G7
日本、米国、ドイツ、英国、フランス、イタリア、カナダの7つの先進国のこと。これら7ヶ国の蔵相・中央銀行総裁による、国際的な経済・金融の政策についての国際会議のことを指すこともある。1997年よりロシア連邦が参加するようになり、G8と呼ばれることもある。映画の中では、ジギー・マーリィ&ザ・メロディ・メーカーズが「G7」という曲で、裕福な7つの国が貧しい者たちを虐げると歌っている。
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ロメ協定
1975年、EU9ヶ国がかつての植民地であったアフリカ・カリブ海・大平洋諸国46ヶ国と結んだ経済協力協定で、その後四半世紀の間に4回の見直しが行われ、対象分野が拡大されてきた。経済・技術の協力、援助、貿易の増大を目的とする。西アフリカのトーゴ共和国の首都ロメ(Lome)において締結されたのでロメ協定と言われる。
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ACP(アフリカ・カリブ海・大平洋諸国)
アフリカ・カリブ海・太平洋地域の46ヶ国。それぞれの地域Africa、Carribean、Pacificの頭文字をとってACP諸国という。
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文化面
 
 
ラスタファリアニズム
1930年にエチオピアでハイレ・セラシエ皇帝が即位したのをきっかけにジャマイカで展開されてきた社会宗教運動。組織としての外縁は曖昧であり、また全体をまとめる特定の指導者もいないが、現代世界を植民地主義と奴隷制の時代から連続した西欧の覇権下にあるバビロンととらえ、それによる抑圧を取り除かなくてはならないと主張する点は、ほとんどのラスタに共通していると言ってよい。ジャマイカの黒人の間では奴隷制時代から、白人にもたらされた聖書が被植民者の抵抗の拠り所として再解釈されてきたがラスタもそうした聖書の「逆さ読み」の系譜に位置する。セラシエは現人神または神聖な人物として崇拝され、ジャー・ラスタファーライという名でも呼ばれる。アフリカ、特にエチオピアは「約束の地」ザイオンとして理想化される。櫛を入れずに伸ばしたドレッドロックスという長髪や、肉(とくに豚肉)の忌避などが、ラスタの特徴的な生活様式として知られているが、これらにはもちろん幅広い多様性がある。映画の中でラスタが歌い演奏しているようなパーカッションとコーラスを中心とした音楽は、ナイヤビンギと呼ばれる。
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パトワ語
ジャマイカの公用語は英語だが、会話はジャマイカン・パトワ(パトワ語)と呼ばれる地元の言葉が多く使われる。パトワ語は、英語の間違った文法とくずれた発音で構成されていると同様に、様々な西アフリカの方言とフランス語やスペイン語といった、欧州の言葉の影響を受けている。もちろん、ラスタファリアン文化やダンスホール・レゲエのDJの影響を受けているのはいうまでもない。
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ゲットー
元々は、中世の西欧、南欧諸国の都市においてユダヤ人が強制的に住まわされた居住区の名称であり、ユダヤ人隔離の象徴であった。それがさらに、外部の人間が危険視して立ち入ろうとはしないような貧困民居住区一般のことを指して使われるようになった。
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注目の「ひと」特集
 
 
ジャメイカ・キンケイド

『ジャマイカ 楽園の真実』のナレーションに使われた『小さな場所』の作者。

ジャメイカ・キンケイドの詳しい情報はこちら>>>
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